• Blog
  • 未分類
  • 虫歯になりやすい食べ物と食生活のポイント

虫歯になりやすい食べ物と食生活のポイント

投稿日:2024年5月29日/更新日:2024年5月29日

虫歯は、口内の細菌が糖分を餌に酸を作り、歯を溶かすことで発生します。虫歯を予防するためには、虫歯の原因菌が好む状態を作らないことが大切です。

虫歯が発生する要因はたくさんありますが、今回はその要因の一つである虫歯になりやすい食べ物について解説します。また、虫歯予防につながる食生活のポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

虫歯になりやすい食べ物・飲み物

虫歯になりやすい食べ物・飲み物には、以下のような特徴があります。

糖分を多く含む食べ物・飲み物

虫歯の原因となる細菌は、糖分をエサにして酸を作り出します。そのため、糖分を多く含む食べ物は虫歯のリスクを高めるのです。これらの食べ物は歯に長時間触れることで虫歯の発生を助長してしまいます。

ガムは、キシリトールが入っていれば一見歯に良さそうに感じますよね。キシリトールは細菌の発育や代謝、歯の脱灰と再石灰化に作用しバイオフィルムを抑え細菌を減少させる効果があることが実験で認められていますが実際の臨床研究ではキシリトール自体の虫歯の抑制効果は確認されておりません。ただし、ガムによる咀嚼自体が唾液の分泌を促進し理論的には有益であるため、予防目的というよりは、ガムを食べる際は砂糖入りを避ける程度のイメージでいると良いでしょう。

(例)

  • チョコレート
  • クッキー
  • ガム(砂糖入り)
  • キャンディー
  • アイスクリーム
  • コーラ
  • スポーツドリンク
  • 甘いカクテル

歯にくっつきやすい食べ物

粘り気のある食べ物や、歯の隙間に入り込みやすい食べ物は、虫歯のリスクを高めます。これらの食べ物は、歯の表面や隙間に長時間とどまり、細菌のエサになってしまうのです。粘着性が高いかつ甘い食べ物はさらに虫歯になりやすいため、食べ過ぎには注意しましょう。

(例)

  • キャラメル
  • チューイングキャンディ
  • ドライフルーツ
  • ヌガー

酸性の強い食べ物・飲み物

酸性の強い食べ物も虫歯のリスクを高めます。酸は歯のエナメル質を溶かし、歯を脆弱にするからです。特に、酸性の飲み物を頻繁に飲むことは、歯への負担が大きくなります。コーラやスポーツドリンクなどは糖分と酸性の両方を併せ持っているため、虫歯のリスクがさらに高まるのです。

(例)

  • レモン
  • オレンジ
  • 赤ワイン
  • お酢

虫歯予防につながる食生活

虫歯を予防するためには、日頃の食生活に気を配ることが大切です。虫歯の原因となる食べ物を控え、歯に良い食品を積極的に摂取することが基本ですが、それだけではありません。食べ方や食後の習慣なども、虫歯予防に大きな影響を与えるのです。ここでは、虫歯予防につながる食生活のポイントを詳しく解説します。日々の食習慣を見直し、虫歯のリスクを減らしていきましょう。

糖分が少ない食べ物を選ぶ

虫歯予防のためには、糖分の摂取を控えめにすることが大切です。加工食品やインスタント食品には、意外と糖分が多く含まれているものがあります。食品のパッケージに記載された成分表示を確認し、糖分の少ない食べ物を選ぶようにしましょう。また、甘味が欲しい時は、人工甘味料を使用した食品や、果物などの自然の甘みを活用するのも良いでしょう。

 

よく噛んで食べる

よく噛んで食べることは、虫歯予防に効果的です。噛むことで唾液の分泌が促進され、口内を浄化する働きがあるからです。唾液には、歯を保護する成分が含まれており、食べかすや細菌を洗い流してくれます。また、よく噛むことで食べ物が細かくなり、歯に付着しにくくなるのです。一口30回を目安に、ゆっくりとよく噛んで食べる習慣を身につけましょう。

 

ながら食べをしない

食事に集中せず、テレビを見ながらや本を読みながら食べる「ながら食べ」は、虫歯のリスクを高めます。ながら食べをすると口の中がいつまでたっても唾液で浄化されず、細菌にエサをずっと与え続けてしまい歯が溶かされ続けてしまいます。また、よく噛まずに飲み込んでしまうため、唾液の分泌が不十分になります。その結果、口内の浄化作用が弱まり、虫歯になりやすくなるのです。食事の時は、他のことに気を取られず、食べることに集中しましょう。そうすることで、自然と食べる量も調整でき、よく噛んで食べる習慣も身につきます。

 

水やお茶を飲む

食後に水を飲むことで、歯に付着した食べかすを洗い流すことができたり、酸性食品が水によって素早く中性にすることができます。

 

食後は歯を磨く習慣をつける

後に歯を磨くことは、虫歯予防の基本中の基本です。歯に付着した食べかすや細菌を速やかに除去することで、虫歯の発生を防ぐことができます。時々、食後すぐの歯磨きは酸で脆くなった歯を傷つける可能性があるため食後30分ほど待ってから歯磨きを行うのが良いという情報や報道があります。歯科医師でも誤解している場合がありますがこれは大きな誤りです。これらの報道のもととなったのは、実験的に酸性炭酸飲料に歯の象牙質の試験片を90秒間浸した後、口の中にもどしてその後の歯みがき開始時間の違いによる酸の浸透を調べた論文で、むし歯とは異なる「酸蝕症」の実験による見解なのです。

実際の人の口の中では、歯の表面は上記の実験で用いられた象牙質ではなく酸に対する抵抗性がより高いエナメル質によって被われています。したがって、このような酸性飲料を飲んだとしても、エナメル質への酸の浸透は象牙質よりずっと少なく、さらに唾液が潤っている歯の表面は酸を中和する働きがあり、酸性飲料の頻繁な摂取がないかぎり、すぐには歯が溶けないように防御機能が働いています。つまり、一般的な食事ではこのような酸蝕症は起こりにくいと考えられます。

歯みがきの目的は歯垢の除去、すなわち酸を産生する細菌を取り除くとともにその原料となる糖質を取り除くことです。歯みがきをしないままでいると、歯垢中の細菌によって糖質が分解され酸が産生されて、歯が溶けだす脱灰が始まります。このように、歯垢中の細菌がつくる酸が歯を脱灰してできるむし歯と、酸性の飲食物が直接歯を溶かす酸蝕症とは成り立ちが違うものなのです。

ですので、通常の食事では食後すぐの歯磨きは虫歯予防に非常に有効と言われています。

(日本歯科保存学会日本口腔衛生学会日本小児歯科学会でも公式に食後すぐの歯磨きを推奨しております)

 

まとめ

虫歯予防にはさまざまなことに気をつける必要があります。ただ、虫歯の発症は様々な要素が複雑に絡み合っているため食事を変えただけでは残念ながら完全に防ぐことはできません。食事内容等も過度に意識しすぎてしまうとせっかくの食事も楽しくなくなってしまったり栄養が偏ってしまい、考えることだらけで頭がいっぱいになってしまいます。

では、虫歯予防は何をしたらいいのでしょうか。

それは予防効果の高い方法から優先的に行うことです。

つまり

・フッ素(フッ化物)入りの歯磨き粉を使った食後のブラッシングと歯間清掃

・間食やジュース等のチビチビ飲み・食べを減らすこと(※乳幼児の場合の間食は大切な栄養源です)

この2点を実践せずに食事の内容ばかり気を使っていても実はあまり意味がありません。

まずはこの2点からぜひ頑張って実践していきましょう。

歯科医師
コラム監修者
歯科医師 山田 宏樹
【経歴】
  • 愛知学院大学 歯学部卒(2014年)
  • 愛知県安城市の歯科医院にて医局長として6年間勤務(2014〜2020年)
  • 現在はきしもと刈谷矯正歯科で院長として矯正治療(ワイヤー マウスピース)やその他自費診療を行っている(2020年〜)
  • 山田歯科医院 非常勤

こんなお悩みはございませんか

Yamada Dental Clinic. All Rights Reserved.0266-22-2131