「歯周病は何歳からリスクがある?」
「歯周病は若くてもなるのか知りたい」
「今のうちに正しいケアをして将来の口元の老化を防ぎたい」
上記の疑問をお持ちの方は、歯医者にしばらく行っておらず、歯周病が始まっていないか不安に感じているのではないでしょうか。
歯周病のリスクは子供の頃から始まっており、大人だけの問題ではありません。
本記事では、「歯周病は何歳からリスクがあるのか、今日からできる正しいケア方法」を紹介します。
歯周病を放置してしまうリスクまで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

歯周病のリスクは大人だけの問題ではなく、実は子供の頃から始まっています。以下、歯周病について紹介していきます。
それぞれ解説します
生まれたばかりの赤ちゃんに歯周病菌はいませんが、乳歯が生え始めると同時に感染のリスクが発生します。
厚生労働省の調査によると、小中学生の約3〜4割がすでに「歯肉炎」にかかっているというデータも報告されています。
子供だからといって歯周病と無縁ではありません。乳歯の時期から保護者が仕上げ磨きなどで徹底したケアをおこなうことが重要です。
歯周病とは、単なる老化現象ではなく、歯と歯茎の間に溜まったプラーク(細菌の塊)によって引き起こされる「細菌感染症」です。
口のなかに残った食べカスを餌にして細菌が増殖し、その細菌が出す毒素によって歯茎が炎症を起こします。
放置すると歯を支える骨まで溶かしてしまう恐ろしい病気ですが、原因が細菌であるため、適切なケアで菌を減らせば予防や改善が可能です。
正しい知識を持ち、細菌のコントロールをおこなうことが歯を守る第一歩となります。
歯周病は、初期段階では痛みをほとんど伴わないため「サイレントディジーズ(静かなる病気)」と呼ばれています。
自覚症状が乏しいなかで進行しますが、歯磨きの際に出血したり、歯茎が赤く腫れたり、起床時に口の中がネバついたりすることがあります。
これらは体が発している危険なサインであり、見逃してはいけません。
痛みがないからと安心せず、少しでも違和感があればすぐに歯科医院を受診することをおすすめします。

歯周病を放置してしまうリスクは、以下の5つです。
ひとつずつ解説します。
歯周病が進行すると、実年齢よりも老けた印象を相手に与えてしまいます。
炎症によって歯茎が痩せて下がり、歯が長く見えるようになるためです。
歯と歯の間に「ブラックトライアングル」と呼ばれる黒い隙間ができたり、歯の根元が露出したりすることが原因です。
一度下がってしまった歯茎を自然に元に戻すことは非常に困難です。
若々しい口元を保つためにも、歯茎が下がる前に進行を食い止めることが大切です。
歯周病が悪化すると、腐った玉ねぎのような特有の強烈な口臭が発生するようになります。
歯周病菌がタンパク質を分解する過程で「メチルメルカプタン」という毒性の強いガスを発生させるためです。
自分では気づきにくいものの、周囲の人には不快感を与えてしまい、会話を避けられるなど対人関係に深刻な支障をきたす場合もあります。
エチケットとしての口臭ケアの根本は、歯周病治療にあると言っても過言ではありません。
歯周病を放置すると、最悪の場合、歯は支えを失って自然に抜け落ちてしまいます。
歯周病の炎症が歯茎の奥深くまで進み、最終的に歯を支えている「歯槽骨(しそうこつ)」という骨が溶け始めるためです。
土台となる骨が失われると、歯はグラグラと揺れ動き、硬いものが噛めなくなってしまいます。
食事や会話という日常の楽しみを奪われないよう、骨が溶ける前に治療を開始しなければなりません。
歯周病菌やその炎症物質が血管を通じて全身に運ばれ、さまざまな病気に悪影響をおよぼすことが明らかになっています。
とくに糖尿病とは密接な関係があり、歯周病が糖尿病を悪化させ、糖尿病が歯周病を重症化させるという負の連鎖を引き起こしやすいです。
また、心筋梗塞や脳梗塞のリスクも高まることが知られています。
お口のケアは、全身の健康を守るための重要な予防医療です。
妊娠中の女性が歯周病にかかっている場合、早産や低体重児出産のリスクが通常よりも高くなることが報告されています。
歯周病による炎症物質が血液に乗って子宮に達し、子宮の収縮を促してしまうためと考えられています。
妊娠中はホルモンバランスの変化で歯周病になりやすいため、とくに注意が必要です。
生まれてくる赤ちゃんの健康を守るためにも、妊婦検診を含めた徹底した口腔ケアが求められます。

歯周病予防として今日からできる正しいケア方法は、以下の5つです。
それぞれ解説します。
歯周病予防で最も重要なのは、歯の表面だけでなく「歯周ポケット(歯と歯茎の境目)」の汚れを落とすことです。
歯ブラシの毛先を45度の角度で歯茎の境目に当て、小刻みに振動させる「バス法」などが効果的とされています。
力を入れすぎると歯茎を傷つけてしまうため、鉛筆を持つように軽く握り、優しく磨くのがコツです。
この正しいブラッシングを習慣化することで、歯周ポケット内の細菌を効果的に減らすことができます。
毎日のケアにデンタルフロスや歯間ブラシなどの補助用具をプラスすることが、歯周病予防の必須条件と言えるでしょう。
歯ブラシだけで歯磨きを終えている場合、実は歯垢の約60%程度しか除去できていないと言われているためです。
歯と歯の間や歯周ポケットの奥の汚れは、歯ブラシの毛先だけでは届きにくい場所です。
しかし、補助用具を併用することで、歯垢の除去率を80〜90%まで高めることが可能になります。
歯周病は生活習慣病の一種とも言われており、日々の生活の乱れが症状を悪化させる大きな要因となります。
とくに喫煙は血管を収縮させ、歯茎の免疫力を著しく低下させるため、最大の危険因子です。
また、ストレスや睡眠不足、糖分の多い食生活も、体の抵抗力を弱めて細菌の繁殖を許してしまいます。
歯磨きだけでなく、規則正しい生活を送ることも、立派な歯周病治療の一環です。
どんなに丁寧にセルフケアをしていても、定期的に歯科医院でプロによる専用の機械を使ったクリーニング(PMTC)を受ける必要があります。
自分では取り切れない汚れや、時間の経過とともに硬くなった「歯石」は必ず残ってしまうためです。
これらは歯ブラシでは除去できません。
3カ月〜6カ月に一度のペースで定期検診を受けることで、磨き残しのチェックや初期段階での治療が可能になります。
プロのケアとセルフケアの両輪で、お口の健康を維持していきましょう。

歯周病予防でよくある質問を以下にまとめました。
ひとつずつ解説します
歯周病によって一度骨が溶けて下がってしまった歯茎は、基本的に自然に元に戻ることはありません。
見た目を改善するには外科的な治療が必要になることが多いため、歯茎が下がる前に進行を食い止めることが何より重要です。
今の状態を維持することが最善の策であると認識し、早めのケアを心がけましょう。
歯周病は細菌感染症であるため、唾液を介して親子間やパートナー間で人から人へと感染する可能性が指摘されています。
スプーンの共有やキスなどで菌が移るため、とくに免疫力の低い子供や未治療のパートナーがいる場合は注意が必要と言われています。
ただ、歯周病菌が感染したからといって必ず発症するわけではありませんのでそこまで神経質になる必要はありませんが家族全員でお口のケアに取り組むことが大切です。
初期の「歯肉炎」であれば丁寧な歯磨きで治る可能性がありますが、骨まで影響が出た「歯周炎」はセルフケアだけでは治りません。
歯周ポケットの奥深くに溜まった歯石や細菌は、歯科医院での専門的な治療でなければ取り除くことができないためです。
自己判断で放置せず、進行する前に早めに専門家の診断を受けてください。
歯周病になりやすい骨格や体質は遺伝する要素がありますが、直接的な原因はあくまで細菌感染と生活習慣です。
親が歯周病であっても、子供が正しいケアと良い生活習慣を身につければ、発症を未然に防ぐことは十分に可能です。
遺伝を心配するよりも、日々の予防行動を徹底することの方が発症リスクを下げられます。

歯周病は加齢による不可避な現象ではなく、正しい知識と行動で予防が可能な感染症です。
大切な歯を失って後悔しないためには、症状が出るのを待つのではなく、若いうちから予防意識を持つことが不可欠です。
将来的に歯の健康を維持したい方や、美しい歯を維持したい方は、歯科医院での定期的なクリーニングがおすすめです。
日常の歯磨きで取り除けない歯垢や歯石などを除去し、虫歯予防をおこなうのがより効果的です。
また、当院では予防歯科に力を入れています。現在歯に違和感を感じている方や不安がある方、ぜひ岡谷市の歯科医院、山田歯科医院までお気軽にご相談ください。
