「虫歯になりやすい人の改善方法はあるの?」
このように考えたことはありませんか?
虫歯はなりやすい人となりにくい人がいます。生まれ持った歯の質や虫歯菌の量、生活習慣の違いによって虫歯のなりやすさは人によって異なるのです。
虫歯になりやすい人の中には、虫歯になりにくい人を羨ましく思う人もいるでしょう。しかし、虫歯は誰でも対策ができます。対策を講じておけば虫歯が生じるリスクを抑えられるのです。
この記事では、虫歯になりやすい人におすすめの改善方法と、予防歯科を受診するメリットについて紹介しています。虫歯のストレスから解放されたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
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虫歯になりやすい人は、歯磨きの方法が正しくない・糖分を摂りすぎている・定期的に歯科医院へ通っていないなどの共通点が見られます。
挙げた中で心当たりがある項目はありませんか?しかし、今挙げた項目はどれもご自身の行動によるもののため改善できます。虫歯になりにくい人になるには、次のポイントを改善しましょう。
ひとつずつ実践して、虫歯の発生を抑えましょう。
虫歯が発生する原因のひとつは歯磨きです。歯磨きをしていない口は虫歯菌の巣窟となり、虫歯が増殖し、虫歯の発生につながります。そのため、食事を摂ったあとや朝起きたときなど、定期的に歯を磨くのが虫歯を抑える効果的な方法です。
しかし、中には「歯を磨いているのに虫歯になる!」という方もいるでしょう。1日3回磨いても、歯磨き方法が適切ではなければブラッシングの効果が薄くなってしまいます。
ブラッシング効果が薄ければ磨き残しが多くなり、結果的に虫歯菌の住みやすい環境になるのです。
そのため、歯と歯の間や、歯茎との間もしっかり磨き、磨き残しを最小限に抑えましょう。歯磨きする際は以下の点を意識するのがおすすめです。
それぞれ解説します。
力を入れた歯磨きは磨き残しが多く、効果的とはいえません。歯を磨くときは、硬さが「ふつう」の歯ブラシで歯に当てた時に毛先が広がらない程度の力で磨きましょう。
すべての歯を磨くのも大切です。当たり前だと思うかもしれませんが、実践できていない人は意外に大勢います。歯磨きする際、スマホやテレビを見ながら「ながら磨き」していませんか?
スマホやテレビを見ながら歯磨きすれば、同じ部分ばかり磨いてしまい、全ての歯をまんべんなく磨けません。また歯ブラシを持ち替えたりする際、磨き忘れてしまう歯が生じるため順番に磨く意識をしましょう。
磨き残しをできるだけ無くすために、歯磨き中はブラッシングに集中しましょう。
歯磨き粉の量も大切なポイントです。歯磨き粉をつけ過ぎると、泡で口の中がパンパンになり、磨きにくくなります。また、口の中が歯磨き粉で満たされるとブラシが当たってないのに磨いた気になってしまう場合があります。
歯磨きする際は「歯ブラシ全体を覆うより少ない量」を意識してみてください。
歯ブラシを大きく動かせば、細かい部分の汚れまでブラシが届かず、食べかすが残ってしまいます。歯磨きする際は、歯ブラシを小さく動かし、歯と歯の間や歯と歯茎の間を意識して磨きましょう。
歯並びは人それぞれ異なるため、適切な磨き方は人によって異なります。歯の適切な磨き方が知りたい方は、歯科衛生士へ相談するのがおすすめです。歯科衛生士は患者一人ひとりに合わせて適切なブラッシング方法を教えてくれます。
食生活を改善すれば、虫歯が発生する可能性を低くできます。虫歯になりやすい人は、長い時間をかけて甘いものを食べたり飲んだりする傾向があります。
お菓子を食べながら仕事する人・間食が多い人・だらだらと時間をかけてお菓子類を食べる人は、食べかすが口の中にある時間が長く、虫歯のリスクが高まるのです。
そのため、お菓子やジュースの摂取回数や時間・量を決めましょう。「仕事中は甘いものを食べないと集中できない」と思う人もいるかもしれませんが、虫歯になりやすいのを改善したいのなら、避けるのが無難です。
口呼吸になっている人は虫歯のリスクが高まります。呼吸と虫歯は関係ないと思う人もいるでしょう。
しかし、唾液には、口の中を洗浄・抗菌する効果があるため、乾燥によって唾液の分泌量が少なくなれば、虫歯になりやすくなります。
無意識のうちに口呼吸になっている人は、口の中が乾燥して唾液の量が少なくなっている可能性があるでしょう。
口呼吸の原因はアレルギーや鼻の疾患によって引き起こされるケースも珍しくありません。改善するためには原因を特定する必要があるため、かかりつけの耳鼻咽喉科や歯科医院へ相談してみてください。
先ほど、口呼吸により唾液の量が少なくなると紹介しました。しかし、唾液量の低下は口呼吸以外にも原因があります。
唾液の改善をする必要があるか、まずは唾液量をチェックしましょう。もし改善の必要がある場合は、唾液を増やす方法を実践してみてください。
それぞれの方法を紹介します。
自身の唾液量が多いか少ないか、把握できている人は少ないでしょう。唾液量が少ない人は以下の特徴があるため、ご自身が該当しないかチェックしてみてください。
以上のポイントに3つ以上当てはまる場合は、唾液量が少なくなっている可能性があります。唾液量の低下は、ストレスや夜更かしなどの生活習慣が原因の場合がほとんどです。
そのため、改善の余地はあります。唾液量を増やす方法については次項をご覧ください。
唾液量を増やす方法のひとつは、食事する際の噛む回数を増やすことです。よく噛めば唾液腺が刺激され、唾液が多く分泌されます。ひと口あたり何回噛んでいるか把握しているでしょうか?
「数えてみたら意外と少なかった」という人は珍しくありません。ご飯でもお菓子でも、口に何かを入れるときはよく噛むのを意識してみてください。
唾液腺のマッサージも唾液の分泌量を増やすのに効果的があります。詳しいマッサージ方法は以下をご覧ください。
マッサージする際の注意点は、力を入れすぎないことです。力みすぎると、怪我をするおそれがあります。
また、レモンや梅干しなどの酸味のあるものや昆布に含まれるアルギン酸、納豆に含まれるポリグルタミン酸も唾液の分泌を促進するといわれています。
虫歯の発生を抑えるには、予防歯科の受診がおすすめです。予防歯科とは、虫歯の有無に関係なく定期的に歯科医院へ通い、診察を受けることを意味します。
従来は、虫歯になってから歯科医院へ通い、治療を受けるのが一般的でした。しかし、近年は予防歯科の受診が推奨されています。
日本では予防歯科の受診はまだ当たり前ではありませんが、歯への関心が高い海外では一般的です。予防歯科を受診するメリットについては次章で紹介するため、ぜひご覧ください。
予防歯科は、定期的に診察を受ける必要があるため面倒に思う人もいるでしょう。しかし、歯は一生ものです。
高齢になってから「歯のケアをしっかりやるべきだった」と後悔している人は決して少なくありません。そのため、予防歯科の受診はご自身の人生を豊かにするための大切な選択といえます。
予防歯科を受診するメリットを紹介するため、ぜひ考えてみてください。予防歯科を受診するメリットは以下のとおりです。
それぞれ解説します。
予防歯科を受診すれば、歯に異常がないか定期的にチェックできます。異常があれば早期に治療できるため、健康な歯の維持が可能です。
歯は身体全体と深く関わり合っています。歯が少ないことによって口内機能が低下すれば、身体の健康に悪影響を与える可能性があるのです。
「歯が身体に影響を及ぼすなんて大袈裟だ」と思う人もいるでしょう。しかし、東北大学大学院歯学研究科から「歯の残存数によって健康寿命や要介護期間に影響を与える」という研究結果が発表されています。
資料によると、歯が20本以上残っている人は、0本の人と比べて健康寿命が長く、要介護期間が短い、という結果が出ました。そのため、歯が身体の健康に影響を与えるのはおかしな話ではないのです。
参考:東北大学院歯学研究科|自分の歯が多く保たれている高齢者は 健康寿命長く、要介護日数短い
きれいな歯は人を惹きつける魅力があります。反対に、歯がボロボロで黄ばんでいれば「人前で歯を出すのが恥ずかしい」「歯が気になって笑うのにためらいがある」とネガティブな気持ちを引き起こしかねません。
予防歯科を受診すれば虫歯の予防だけではなく、歯の掃除もしてくれます。歯磨きだけでは落としきれないヤニ・茶渋などの歯にこびりついた汚れを専用の機械で掃除してくれるため、きれいな歯の維持が可能です。
予防歯科は、定期的に受診することを意味するため「余計なお金を支払うことになるのでは?」と思うかもしれません。
しかし、実際は予防歯科の受診によって虫歯の治療にかかる費用を抑えられます。通常は、症状が出たあとに治療するため、場合によっては費用が高くなりがちです。虫歯の状態が悪いと、その分費用は高くなります。
一方、予防歯科を受診していれば、虫歯を初期段階で発見・治療可能です。症状が小さいうちの対処できるため、かかる費用も少なくて済みます。
予防歯科は数か月に1回行くだけでも効果があるため、ぜひ検討してみてください。
虫歯になりやすい人の改善方法は、歯磨きだけではなく、食生活や呼吸、唾液の量が大切です。無意識のうちにお菓子に手が伸びていたり、口呼吸していたりする人もいるでしょう。
習慣はすぐに変えられるものではないため、少しずつ改善しましょう。
今後も虫歯に悩まされたくない人は予防歯科の受診がおすすめです。予防歯科を受診すれば、定期的に歯の状態をチェックできるため、美しい健康な歯を維持できます。
症状が悪化したときの治療費と比べて、費用も抑えられます。予防歯科にご興味があればかかりつけ医に相談してみましょう。